所沢・102(とうふ)工房 就労継続支援B型で菓子工房

2015.11.24お知らせ

「経営改善」と「困難あっても働き続けられる」両立へ

菓子工房で働く皆さん

ワーカーズコープ埼玉西部地域福祉事業所森の102(とうふ)工房は、就労継続支援B型事業所「森のとうふ屋さんの手づくり菓子工房」を10月1日にスタートさせました。店舗の開所式を31日に行い、地域の方、市議、関係者、仲間など約50人がお祝いに駆けつけました。
 開所式では、ワーカーズコープ藤田徹代表理事が「働いている人や地域の人が主体者として活躍できる場に」と期待を込めてあいさつ。
 来賓の末吉美帆子所沢市議が「市では障がい者福祉のインフラがまだまだ整っていないので、この事業所ができてうれしい。いろんな人とつながれるように支援していきたい」。地元の小手指第1区町内会の山内規義会長が「このような場が必要だと思っていた。温かく見守っていきたい」。連合埼玉の小穴真一郎副事務局長は連合・愛のカンパで助成したことを紹介しました。
 須賀貴子所長が「3年越しの立ち上げ。支援する、されるではなく、ともに働ける場にしていく。働く仲間全員がまちづくりの主体者として、地域を盛り上げていきたい」とあいさつし、仲間を紹介。
 山田浩嗣さん(菓子工房)は「午前中に小さな子どもや地域の人が顔を見せてくれ、つながりを強く感じた。力いっぱいがんばりたい」、とうふ工房の責任者、渡部清さんは「菓子工房ととうふ工房が助けあい協力しあって発展したい」、中村信春さんは「協同労働が助けあってみんなで働くことだとようやくわかった」と、代表してあいさつしました。
 参加者から「社会が障がい者に冷たいと感じていたので、ここができてうれしい」「とうふ工房のファン。ここも宣伝する」「私たちもB型を立ち上げたい。ぜひ見本になって」などの温かい言葉が寄せられました。
 最後に、齋藤弘明本部長が「新しい仲間と話し合いを通して、自分らしく働ける、弱さを補い合いながら一緒に働ける事業所に。地域の方にもかかわってほしい」と呼びかけしました。


■思い大切に地域の声に応え
 菓子工房では、新しい仲間を2人迎え、須賀所長と3人体制。利用定員は20名で、現在は、利用体験を受け入れています。また、つながりのある支援学校から、利用体験受け入れの依頼も。
 また、店舗オープン以降、とうふ工房の豆乳を使って焼いているシフォンケーキが毎日売り切れ。手土産にと買ってくれる近所の方もいます。「飲み物を出して」の要望や、B型と聞き、事業の意義に賛同してくれる方も。
 とうふ工房のとうふなども併せて販売していますが、こちらも好評で売り切れ続出。新しい顧客を獲得しました。
 須賀所長は「とうふ工房の経営を改善するには、商品を効率よくたくさん作り、売ることが必要。そうなると、困難が大きい人ほど働きづらくなり、休んだり辞めたりする人も。それは『働きづらさをかかえる仲間の働く場づくり』の、立ち上げた思いとはかけ離れてしまう」と悩んでいました。
 他方、地域の障がい者団体や特別支援学校とつながり、「働かせてほしい」という声がたくさん聞こえてきました。
 そこで、就労継続支援B型事業を立ち上げようと決め、豆乳やおからを活かせる菓子作りをすることにしました。
 「『あそこで働いているなんてうらやましい』と言われるようにしようと、内装も自分たちでやった。地域の期待も感じている」と気を引き締めています。



■森の102(とうふ)工房
 障がい者を雇用していた豆腐店の経営者が、深谷のとうふ工房を取り上げたテレビを観て、ワーカーズを知り、自分たちの事業を引き継いでほしいと連絡してきたことがきっかけ。
 基金訓練の制度を活用し、引きこもりの若者や障がいのある人、長期失業者など生きづらさをかかえた人たちとともに、2011年6月に開所。
 現在10人が就労し、とうふ、湯葉、油揚げなどを製造。引き売り、JA直売所、産直市場「食の駅」の所沢、三芳など6カ所で販売していますが、制度を活用しておらず、大幅な赤字が続いています。
 今回のB型事業の活用で、埼玉西部地域福祉事業所としての経営改善を目指すとともに、菓子工房の利用者の施設外就労の場にもしていく予定です。

※森のとうふ屋さんの手づくり菓子工房
住所 埼玉県 所沢市上新井1-4-4
営業時間:月:11:00-18:00、木-日:11:00-18:00
TEL:04-2936-6001

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